22-7,ターボ過給器の操作


ターボ過給器の疲労や破損を防止し、キャブレター吸入空気温度の過度な上昇を避けるためには、ターボより先にスロットルを使用して必要な吸入圧力を維持すること。高々度では、部分スロットルでフルにターボを効かせると明確にターボが過回転となる。

上昇中に吸入圧力の上昇に気がつくが、一定の吸入圧力を維持するためにターボコントロールを戻して調節すること。B-17の調節装置は排気管内の圧力が一定になるように働くが、上昇中の吸入圧力を一定に保つようには働かない。過給器制御レバーの位置は排気管内のある圧力に対応しており、過給器コントロール装置はウエイストゲートの開度を変化させて排気管内の圧力を維持する。したがって制御レバーを動かさない限り、高度や外気温度、外気圧等に無関係に、制御レバーの位置に対応した値に、排気管内の圧力を維持する。

上昇を開始する前に、吸入圧力は制御レバーである値に設定される。上昇中に外気圧は急激に低下する。排気圧と大気圧の差はこうして高度と共に拡大しターボを挟んだ圧力差は最終的には大きなものになる。これはインペラ−に伝わるターボの出力を増加させ、次に大気圧とキャブレターの圧力との差を拡大させる。エンジン内蔵インペラ−はさらにキャブレター圧力を増加させて吸入圧力となる。

このときにキャブレター圧力と吸入圧力は、ターボが高回転することによる過大な出力がインペラ−の必要馬力を上回ることにが第一の理由となって、必要な値を上回る。例えば、30000フィートにおけるターボの出力は、一定の排気管の圧力で10,000フィートにおける出力の5倍に達する。このターボの出力超過を修正するためには、上昇中にターボ過給制御レバーを少しずつ戻していき、排気圧力を下げていく必要がある。

高々度ではタービンを挟んで排気圧力と大気圧の差が非常に大きくなるため、ターボの過回転を防止するために、限界高度以上では1000フィート上昇する毎に1.5”吸入圧力を下げる必要がある。

吸入圧力を手動で下げるため、出力は比例して低下するが、排気圧力と吸入圧力は全ての高度で一定ではないため、高度を変更している間は常に過給器制御を調節していることが必要である。海面高度ではターボは10,000rpmでしか回らないが、30000フィートでは連続最高回転数である21300rpmで回転する。このようにして、30000フィート以上に上昇するときはターボ回転数が一定になるように吸入圧力を必要なところまで下げなくてはならない。B-2ターボでは21300rpmが最高運転回転数であると示されているが、緊急用に5%の過回転が許容されている。即ち22400rpmが緊急時の上限である。

ノズルボックスのすぐ上流での排気管内の圧力はエンジンから出てくる排気ガスの量に主に依存している。エンジンが一定の出力を発生し続けていると排気管内の圧力も単に同じ圧力を維持し続けるが、ターボの外側の圧力は大気圧であり、高度と共に減少し、高度30000フィートでは8.9”となり海面高度の29.92”の三分の一以下になる。

タービンを通過する排気ガスの速度、その結果としてのタービンの回転速度は、排気管内の圧力と大気圧との差、言い換えればノズルの両側の圧力差に直接比例する。ノズルの圧力差をおよそ一定に保つためには大気圧の低下に合わせて同じだけ排気ガスの圧力を下げる必要がある、つまり吸入圧力を下げる必要がある。

注記:タービン回転を21300rpmに保つためにはT.O.AN01-20EF-1にある高度に応じた吸入圧力変化を参照すること。

ターボサージ

高いターボ過給を使用しているときに吸入圧力がサージしている状況に遭遇することがある。ターボサージはターボ過給器が圧力ポンプとして作動することが原因である。あるタービン回転において、ターボは吸気系統に空気を押し込み、さらにある一定の圧力になるまで押し込み続ける。次に圧力が抜けブロワー−の遠心力に抗してターボを通して効率的に戻っていく。これはターボの圧力差を減じタービン回転数を増加させ、タービン回転低下の結果として吸気系統の圧力を増加させる傾向となり、このサイクルを繰返す。これが吸入圧力のサージの証拠そのものであり、運転効率の低下と一時的にタービンが過回転する危険を伴う。

このサージの修正はこれが続かなくなるまで回転数を上げることである。エンジン回転数を上げてもターボサージが収まらないときは、ガバナー配管の詰まり又はガバナーの故障が原因の可能性がある。

ターボウエイストゲートの閉鎖

スロットルが全開にもかかわらずエンジン回転が断続的に低下し吸入圧力が低下するときは、ターボのウエイストゲートが閉鎖していることが原因である。25000フィートでは約1650rpmで始まり、高度の上昇に伴って高い回転で始まるようになる。エンジン回転の低下により排気ガスの量が減少するため、フル過給にもかかわらずエンジン回転の低下により吸入圧力が低下する。ある点において、排気ガス量が、吸入圧力を一定に保つためにターボを回転させるのに不十分となる。この点から回転数が低下すると、ターボのウエイストゲートが閉じているので実質的に全ての排気ガスがタービンを通るために、吸入圧力も低下する。排気ガス量の減少はタービン回転を低下させ、ついで吸入圧力を低下させる。

高々度の編隊にて、フルスロットルかつ高過給状態で飛行しているとき、編隊から行き過ぎるのを防止しようとしてスロットルを相当戻した後出力が回復しない状況に遭遇することがある。これはスロットルを使用して回転数を下げたときには特に起こりやすい。フルスロットルに戻し、過給を上げても吸入圧力は回復しない。

この原因は、出力を下げたときにウエイストゲート閉鎖の領域まで達すること、そしてタービン回転を上げて吸入圧力を元の状態まで戻すのに必要な排気ガス量が得られなくなることである。この状態での正しい手順は、必要なら回転数を2500rpmまで上げ、過給圧設定を吸入圧力が回復するまで高い状態に保持することである。通常は直ちに回復する。